整体院のサイトもAIで作った。美容室と違ったのは3つ
2業種目です。同じやり方で通用する部分と、業種ごとに変えないといけない部分がはっきりしました。特に整体院は、書いてはいけない表現があります。
前回は美容室のサイトをAIで作りました。今回は整体院です。
同じやり方でどこまで通用するのかを確かめたかったので、意図的に業種を離しました。結果、大部分は同じ手順で通りましたが、3つだけ変えないといけない点がありました。
できあがったもの
架空の整体院「ゆるり」のサイトです。
予約フォームは前回と同じく実際に動きます。日曜と第2木曜(定休日)を選ぶと弾かれますし、症状を1つも選ばずに進もうとすると止まります。
違い①:入口が「メニュー」ではなく「症状」
美容室のサイトは、メニューと料金から入るのが自然でした。カットがいくらか、パーマがいくらか。お客さんは何をしてほしいかを知っているからです。
整体院は違いました。来る人は「何をしてほしいか」ではなく「どこが痛いか」しか分かりません。骨盤調整コースが必要かどうかは、本人には判断できない。
なので、トップの最初に症状から選ぶ導線を置きました。腰、肩・首、膝、姿勢、産後、そして「原因がわからない」。最後の1つが実は重要で、これがないと当てはまらない人が離脱します。
違い②:不安を消す情報が要る
美容室で「痛いことをされますか」と心配する人はいません。整体院にはいます。
だからFAQを入れました。「痛いことをされますか」「何回くらい通えばいいですか」「保険は使えますか」。 特に2つ目は、回数券を売りつけられるのではという警戒への回答になります。
施術の流れも1〜5の番号付きで置きました。いきなり施術台に寝かされるのではなく、まず15分話を聞く、と書いてあるだけで印象が変わります。
違い③:書いてはいけない表現がある
ここが一番大事で、しかも見落とされやすいところです。
整体院のサイトには、書くとまずい表現があります。 「治る」「治療」「効果があります」といった断定です。美容室にはない制約です。
事情は少し複雑で、院の種類によって関係する法律が変わります。
- 国家資格を持つ院(柔道整復師、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師)は、それぞれの法律で広告できる事項が限定されています
- **資格を必要としない「整体」**は、これらの直接の対象外という整理もあります
- ただし景品表示法はどの業種にも適用されるので、根拠のない効果をうたえば優良誤認になり得ます
今回のデモでは、この点を踏まえて次のようにしました。
- 「治す」「治療」は使わない。「施術」「ほぐす」「探す」に置き換えた
- 効果を約束しない。「その痛みがどこから来ているかを探します」という言い方にした
- 保険が使えないことを明記した。 あとで揉めるくらいなら先に書く
AIは指示しないとこの配慮をしません。プロンプトに明示的に書く必要があります。
用意するもの
| もの | 用途 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| AI(Claude / ChatGPT など) | サイトを作らせる | 無料枠でも可 |
| 公開場所 | サイトを外から見られるようにする | 無料サービス/有料サーバーなど |
| 予約の受け取り先 | 予約内容を受け取り、管理する | 外部フォーム/予約サービス/自前の処理など |
| 独自ドメイン | 院独自のURLにする | 必要な場合だけ取得 |
必要なものは、どこまで自分のサイト内で完結させたいかによって変わります。
実際に使ったプロンプト
前回同様、全文を置きます。カギカッコの中を自分の院の情報に差し替えてください。
太字にした2箇所が、前回から増えた部分です。
整体院のホームページを1ファイルのHTMLで作ってください。
【院の情報】
院名:整体院 ゆるり
場所:東京都杉並区西荻南 JR西荻窪駅 南口から徒歩5分
開院:2016年
営業時間:9:00-20:00(最終受付 19:00)
定休日:日曜・第2木曜
特徴:初回は60分。いきなり施術せず、まず15分話を聞く。
強い刺激は使わない。回数券の販売はしない。
【料金】
初回(カウンセリング+施術)6,600円(約60分)
2回目以降 4,950円(約40分)
骨盤調整コース 7,700円(約60分)
産後骨盤ケア 7,700円(約60分)
姿勢改善コース 6,050円(約50分)
※すべて税込・自費(健康保険は使えない)
【施術者】
森 弘毅(院長):デスクワークによる腰と肩を多く担当
大原 千夏:産後のケアと姿勢の調整。子連れの方を担当
【入れてほしいもの】
・トップ、症状から選ぶ導線、施術の流れ、料金、施術者、
よくある質問、アクセス、予約フォーム
・症状は6つ:腰/肩こり首こり/膝/姿勢/産後/原因がわからない
・施術の流れは番号付きで5ステップ
・よくある質問は5つ。痛いことをされるか、何回通うか、
服装、子連れ可否、保険が使えるか
・予約フォームの項目:名前、ふりがな、電話、メール、
初回か2回目以降か、気になるところ(複数選択)、
希望日、希望時間帯、要望
・入力チェックを付ける。必須が空なら進めない。
メールと電話は形式もチェック。
定休日(日曜・第2木曜)は選べないようにする
・入力 → 確認画面 → 完了、の3ステップにする
・スマホで見たときに崩れないようにする
・スマホでは画面下に「電話する」「予約する」を固定表示
【表現について(重要)】
・「治る」「治療」「効果があります」といった断定表現は使わないでください
・効果を約束する書き方をしないでください
・「施術」「ほぐす」「整える」といった表現に置き換えてください
・健康保険が使えないことを明記してください
【デザインの方向】
落ち着いた雰囲気。深い緑と生成りの白。
来る人に高齢の方が含まれるので、文字は大きめ、
コントラストは強めにして読みやすさを最優先にしてください。
派手さは要りません。
前回から学んで変えたこと
「表現について」の項目を足しました。 これを書かないと、AIは普通に「つらい痛みを根本から改善します」みたいな文章を出してきます。悪気はなく、それが世の中に多い書き方だからです。指示しない限り配慮されません。
文字サイズの指定も足しました。 整体院に来る人には高齢の方が含まれます。美容室と同じ文字サイズだと読みにくい。デモでは本文を17pxにして、コントラストも強めにしています。
予約フォームは、やはりここで止まります
前回と同じ壁に当たります。
フォームの見た目も入力チェックも完成しますが、送信を押しても内容がどこにも届きません。 届け先がないからです。お客さんが予約を入力しても、院には何も来ない。
受け取り方には、外部フォームや既存の予約サービスを使う方法と、自分の公開環境へ送信処理を置く方法があります。少人数で手動確認するなら外部サービスで十分な場合もあります。独自の入力項目や保存ルールまで作りたい場合は、サーバー側の処理を持てる環境が候補になります。
つまずいたところ
症状の選択肢に「わからない」を入れ忘れた 最初のプロンプトでは5つしか指定していませんでした。出てきたものを見て、当てはまらない人が行き場を失うことに気づきました。追加で指示して直しています。
FAQを最初は3つにしていた 「保険は使えますか」を入れていませんでした。整体院では必ず聞かれる質問です。自分が客だったら何を聞くかを考えると出てきます。
「根本改善」という言葉が出てきた 表現の指示を入れる前の試作で、AIが普通に使ってきました。よくある言い回しなので当然といえば当然です。指示を足したら消えました。
まとめ
2業種目も同じやり方で通りました。 手順はほぼ変わりません。変わるのは、その業種のお客さんが何を不安に思っているかと、書いてはいけないことがあるかどうかだけです。
つまり業種を変えて何度でも使えます。 カフェ、教室、ネイルサロン、動物病院。予約が必要な業種はどれも構造が似ています。
次はカフェを作りました。予約がない業種でこの方法が崩れるかを確かめています。
現在の比較基準は、無料公開とレンタルサーバーの違いにまとめています。